「自己決定権の樹立」という新たな地平に立とうとする沖縄の人々と、ヤマト(本土)の私たちがいかに連帯するのか。そのことをテーマとして、「生・労働・運動ネット」は、富山平和運度センターとの共催で、今年5月から、「沖縄セミナー・2011 in 富山」を進めています。
6月18日(土)、「沖縄セミナー・2011」の第2回として、ヤマトでの沖縄をめぐる社会運動の思想・軌跡を主要なテーマの1つとして研究活動を行っている、立命館大学大学院生の大野光明さんを話し手に迎えて、表記のような学習会を行いました。以下、そこでの大野さんの話や、その後の「フリートーク」での論議のアウトラインを紹介します。
2011.9.25
「火のようにかざしたこぶしの叫び」もて「反原発都市」と・・・
われら 地球という星の一隅の列島の そのまた一隅に仮寓する者
われら 許されたる仮寓の条件をも自壊する 愚かなる所業をなす者の末裔
AD2011年春3月 我らの仮寓する列島東北部に出来(シユツタイ)する驚天動地
その驚天動地の底で果てた 幽明境を異にする人々よ
その驚天動地に連なる愚かなる所業の累積の極みを 背負い続ける人々よ
もし許されるものであるならば
もし許されるものであるならば
「火のようにかざした /こぶしの叫びは いつでも/
踏みにじられた その苦しみの/うちがわに反響するうめきを聞くのは/
けれども いつもぼくらだ/けっして あのものたちではない」(*)
その「うめき」の〈むこう〉へ その「うめき」の〈むこう〉へ」
されば われら いと高きにあるものを 求めん
されば われら いと大いなるものを 求めん
天と地に恥ずることなきわが身を その間に自ら立たしむることを
「あのものたち」の領する国家 それはわれらの「後(のち)」なるもの われら その内部の外部とならん
「あのものたち」の操る「プロメテウス(先見の明を持つ者)の第2の火」 それは「第1の火」の「後(あと)」なるもの われら それをその「先見の明」のうちに還さん
われら 天と地に恥ずることなきわが身を立たしむる われらの仮寓する地を
「火のようにかざした叫び」もて 「反原発都市」と呼ばん
「火のようにかざした叫び」もて 「反原発都市」と呼ばん
(*)新城兵一「内破-辺野古」(「宮古島」文学5号)から
「あのものたち」の内に私・たちが在ることを恐れながら・・・
2011.9.10
〈エクソダス〉プロジェクトの第2回(2011.4.24)当日、「沖縄で拓かれつつある「自己決定権」の樹立という地平にふれたが、この地平にいたるまでの系譜/この地平の現在と今後の課題などについては、富山平和運動センターとの共同企画として、2011年5月から始めた「沖縄セミナー:連帯を模索する 沖縄の自己決定権樹立への挑戦を受けとめて」で取り上げることを、予定している。ぜひ期待して欲しい。
2011.7.16
前書きより
「この事態を、ではなく、この事態に、われわれは何を思考すべきだろうか」(註)
このようなおもいにかられて、3月11日以後、この「驚天動地」につきうごかされて、それを〈反転〉する手がかりになるものを求めて、右往左往している。
もとより、事態の変化に応じて何が手がかりになるかも変化するのだから、手がかりになるもののありようは、不可避に暫定的であるしかない。というより、事態が「未曾有」/「空前絶後」のものであることが明らかになればなるほど、「手がかり」になると思われるものが、その根底からひびわれていく。それでも、それ以前の経験が「無」になるとしても、それが無であることに内在するしか、それ以後をひらく手がかりを得ることはできない。まして、ここでは、3月11日の「驚天動地」を安易に分節化することを控えているのだから、なおさらのことだろう。
以下とりあえず、この「驚天動地」の〈反転〉を模索する私(・たち)自身のためのブックリストを並べてみよう。そして、少しばかりの〈註〉をつけてみる。その順序は、手がかりになる著作が私・たちの前に現れた順序に、従っている。
このような試みは、私(・たち)の不分明なありようを露呈するだけのことかもしれない。間違いなく、私・たちの目が、耳がとらえ損ねているものがあるだろう。だが、それがどうしたというのか。まだない手がかりへ向けて、わずかにせよ手許にあるものを、手がかりにするしかないではないか。私たち どのような範疇のものを考えてもらっていい に、私・たちの「手がかり」以上のものがあるのなら、どうか教えて欲しい。
3月11日から1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と経つにつれて〈反転〉の模索は、拡大/蓄積され、それらを学んで、私(・たち)も少しずつ不分明から抜け出すことができるだろう。なお、私(・たち)の事情のために発行が遅延し、このブックリストが5月はじめにできていたことを、未練がましく付け加えておく。
(註)「現代思想―特集・災害」(2006年1月)の「編集後記」(池上善彦)から
本文は、上記pdfファイルへ
2011.7.1
今こそ、「不可能なものの胸ぐらをつかむ」ことへ挑みたい 「沖縄セミナー・プレ企画:沖縄と東北が、そして、私・たちが一つに連なる声の蜂起を!日本国家─社会の構成的解体へ向けて」(4/24)を振り返る
2011.5.29
2011.4.29
2011年3月11日、東日本大震災の発生。この貴重な
超巨大な地震/全貌をつかめぬ被災という事態の前で、私たちは今、つい思考が停止/縮小してしまいそうになります。しかし、そうした事態であればなおさら、私たち一人ひとりがもてる力を発揮することは言うまでもなく、そうした力を最大限、具体的な支援の形として、集中させることが求められているように思います。
今回の大震災の被災地では、生きる上で最低限、必要な食料品や医薬品にも事欠く避難所で暮らす人たちや、原発震災による高濃度の放射能汚染にさらされ続ける人たちなど、数十万人もの人々が、まさに文字通り、死の危険にさらされています。しかし、そうした人々の大きな苦難に対して、公的な支援のあり方は極めて官僚的であり、非常に不十分なものでしかありません。
そうした状況の中で、今回の大地震/原発震災に被災した人々が、生命の危険を逃れて一息つくことが出来るためにも、民衆同士の相互扶助として、そのような人々が被災地を脱出して生きることを受け入れるための支援体制をつくり出すことが、この富山でも求められています。
そのためにも、「被災難民支援富山ネットワーク」(仮称)をつくりませんか。
そのことを考えあうための場として、以下のような集いを企画しています。
ぜひ、ご参加下さい。
東日本大震災──私・たちは、今「何をすべきか」 |
2011.4.17
*これまで、「オルタセミナー」では、「プロジェクトA:いくつもの『日本』へ」と 「プロジェクトB:いくつもの『民』から」という、2つの「プロジェクト」を軸に「日本の構成的解体」をめぐる論議を進めてきました。「プロジェクトA」で考えようとしてきたことは、今年5月から「沖縄セミナー」としてスタートします。また、「プロジェクトB」は、「沖縄セミナー」と平行させながら、進めていく予定です。
前回、「オルタセミナー特別編」を行いましたが、この大きな事態に当たって、私・たちは、「オルタセミナー」や「沖縄セミナー」とは別に、上記のような「エクソダス2011・富山」という企画を考えています。ぜひ、ご参加下さい。
2011.4.10
●プロジェクトa「被災難民支援ネット」
日時:4月11日(月) 午後6時半
場所:生・労働・運動ネット事務所(神通大橋東詰)
報告:県内の被災者受け入れ状況
●プロジェクトb「声の蜂起委員会」
日時:4月18日(月) 午後6時半
場所:生・労働・運動ネット事務所(神通大橋東詰)
ブックガイド:この驚天動地を反転することを模索するための10冊の本
●合同集合
日時:4月28日(木)午後6時半
場所:生・労働・運動ネット事務所(神通大橋東詰)
プロジェクトa+b 報告+提案
2011. 3.27